大会長挨拶

第 20 回日本疲労学会総会・学術集会

大会長 水野 敬

大阪公立大学健康科学イノベーションセンター 特任教授/センター副所長
神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 特命教授
理化学研究所生命機能科学研究センター 客員主管研究員

 この度、第 20 回日本疲労学会総会・学術集会の大会長を拝命しました大阪公立大学/神戸大学/理化学研究所の水野敬でございます。2024 年 6 月 15 日(土)~16 日(日)の 2 日間、大阪市内にあります帝国ホテル 大阪において開催を予定しております。今回の学術集会のテーマは「疲労医学・抗疲労科学研究 20年の軌跡と将来展望」とさせていただきました。

 日本疲労学会は、2005年6月に第1回学術集会を開催してから20年を迎えることになりますが、学会員の皆様のご尽力により、疲労の基礎研究、臨床研究および産学連携を中心とした抗疲労研究が世界に先駆け進められてきました。疲労実態疫学的調査、疲労の分子神経メカニズムの解明、メカニズムに基づく疲労の科学的評価法と評価技術の確立、および筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を代表とする疲労関連疾患の診断・治療法の開発がなされ、近年では、これらの知見を活用した新型コロナウイルス罹患後疲労に対する研究展開に至っています。更には、産業界の皆様の参画や連携により、医薬品、食品、サプリメント、飲料や生活環境空間要素を用いた抗疲労ソリューションの開発が、小児から成人に至るまで幅広い層を対象に推進され、多様性に富んだ素晴らしい研究成果が創出されてきています。

 本総会・学術集会では、20年間の疲労研究の軌跡を振り返り、これを契機とした基礎研究、臨床研究そして抗疲労研究の三位一体化から、慢性疲労克服社会の醸成に資する社会還元活動へ繋げるための今後の疲労医学・抗疲労科学研究の展望について、学会員の皆様と大いに討議できればと願っております。お力添えの程何卒よろしくお願い申し上げます。

 会場の帝国ホテル 大阪は、JR大阪駅からシャトルバスもご利用いただける便利な場所です。皆様とお会いできることを心より楽しみにしております。

2023年11月吉日